プラスチックの分類

化粧品容器をはじめ、私たちの身の回りはプラスチック製品であふれていますが、実はプラスチックにはさまざまな種類があります。製造方法や性質、用途も異なるため、目的に合ったプラスチックを選択することが大切です。
ここでは、プラスチックの分類について詳しくお伝えしていきます。

プラスチックの分類について

そもそもプラスチックとは、熱や圧力を加えることにより変形できる「高分子物質」の総称です。「ポリエチレン」や「塩化ビニル」といったように、さまざまな種類があります。
プラスチックの基本的な分類として、「熱可塑性プラスチック」と「熱硬化性プラスチック」の二つに分けられます。これは熱を加えたときの性質に注目し分類したものなので、他にも結晶性か非晶性か、重合方式・原料・分子構造は何か、天然か合成かといったように、いくつかの分類法があります。

熱可塑性プラスチック

熱可塑性プラスチックは加熱により溶融し、冷却すると元の固体にもどる性質を示す樹脂です。この性質(塑性)を利用することで、容易に成形できるという特徴があります。
熱可塑性プラスチックは、よくチョコレートに例えられます。チョコレートは高い温度だと溶けますが、冷えると再び元の硬い状態にもどり、チョコレートとしての性質を失いません。
熱可塑性プラスチックはこのような性質から成形が容易で、大量生産に適しています。また、いろいろな成形法を適用できたり、リサイクルが簡単だったりというメリットもあります。

熱硬化性プラスチック

熱硬化性プラスチックは、熱を加えると硬くなる性質を示す樹脂です。一度硬化すると、加熱しても融解しません。
熱可塑性プラスチックの性質がチョコレートに例えられる一方、熱硬化性プラスチックはクッキーに例えられます。焼きあがったクッキーをさらに加熱しても生地にはもどらないように、熱硬化性プラスチックは不可逆的な反応をします。
熱硬化性プラスチックの場合、成形は樹脂を硬化させるのと同時に成形します。

非晶性プラスチック

プラスチックは高分子のあつまりですが、中でも非晶性プラスチックは分子の配列に規則性がありません。不規則な状態で固化するため、「ランダム構造」とも呼ばれます。

結晶性プラスチック

非晶性プラスチックに対し、結晶性プラスチックは分子が規則的に配列している「結晶部分」をもちます。比較的結合の強い部分と軟らかい非晶性の部分が結ばれていて、結晶部分は「折りたたみ構造」とも呼ばれます。

汎用プラスチック

版用プラスチックとは、熱可塑性プラスチックの中でも生産量の多い一般的なプラスチックのことを指します。安価に製造できるうえ、加工性に優れているという特徴があります。
以下の5種類が「五大汎用プラスチック」として知られています。

  • ・高密度ポリエチレン(HDPE)
  • ・低密度ポリエチレン(LDPE)
  • ・ポリプロピレン(PP)
  • ・ポリ塩化ビニル(PVC)
  • ・ポリスチレン(PS)

強化プラスチック

強化プラスチックとは、ガラスや炭素の繊維などを加えることで強度を上げたプラスチックのことです。通常のプラスチックよりも強度に優れているうえ、金属より軽いという特徴があります。
強化プラスチックはその特性から、自動車や船、産業用タンクなどに使われています。

プラスチックの略号・用途

名称 略号 主な用途
ポリプロピレン
(ピーピー)
PP 食品包装用フィルム、食品包装用フィルム、ストロー、自動車部品など
高密度ポリエチレン
(ハイデン・ポリエチ)
HDPE 買物袋、ゴミ袋、上水道パイプなど
低密度ポリエチレン
(ローデン・ポリエチ)
LDPE 食品・薬品容器、包装用フィルムなど
ポリアミド・ナイロン
(ナイロン)
PA 軸受けやギヤといった機械の部品、ファスナー、ボルトなど
ポリスチレン
(スチレン・ポリスチ)
PS 食品用透明容器、テレビや冷蔵庫といった
大型機種の部品、断熱材、コンテナなど
発泡ポリスチレン
(発泡スチロール)
FS、EPS 断熱保冷材、包装材、クーラーボックスなど
ポリエチレンテレフタラート
(ペット)
PET ペットボトル、衣料、卵パック、食品容器など
ポリ塩化ビニル
(塩ビ)
PVC 食品包装用フィルム、消しゴム、ホース、パイプなど
ポリ塩化ビニリデン
(サラン)
PVDC 食品包装用フィルム、コートフィルム、ラップなど
エチレン酢酸ビニル
(エバ・イーブイエー)
EVA 緩衝材、包装材、マットなど
アクリル樹脂 PMMA 食品包装用フィルム、コンタクトレンズ、水槽など
メラミン樹脂
(メラミン)
MF 断熱材、吸音材、家具、電気部品の基板など
フェノール樹脂
(ベークライト)
PF 電子部品、自動車部品、断熱材など
ユリア樹脂
(ユリア)
UF 配線・照明器具の部品、接着剤、キャップなど
ポリカーボネート PC パソコン、 プリンタ
、防音壁の建材など
アクリロニトリルブタジェンスチレン ABS パソコン、プリンタ、スポーツ・レジャー用品など

【まとめ】プラスチックは種類が豊富なので分類もさまざま

プラスチックの分類についてお伝えしました。
プラスチックは種類が豊富で、熱を加えたときの性質や分子構造で分類することができます。プラスチックによって用途が異なるので、目的に合った種類を選択しましょう。

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